※この記事は性に関する記述を含みます
既婚男性の性の悩み
既婚男性、特に夫婦関係が熟れてきたご夫婦や、お子さんのいるご家庭の男性だとよくご理解いただけると思うのですが、家庭の中には意外とオナニーをする場所がありません。
女性の方からすれば「たかがオナニーくらいで……」とバカバカしく思われるかもしれませんが、(私のような一部の)男性にとって、これは死活問題です。
男性がオナニーをしないとどうなるのか。私の場合はですが、心身のバランスが崩れ、ストレスを感じやすくなったり、食欲が増したり減ったりして、時には生活に大きな支障を来たします。
卑俗な表現で「キンタマがパンパン」なんて言うことがありますが、実際にはキンタマがパンパンになることはありません。精巣から体外へ出されなかった精子は、大体3日くらいのサイクルで体内に吸収され、再生産のサイクルに入るらしいです。ですから、射精しないからといってキンタマがパンパンになることはありません。
じゃあ射精しなくてもいいのかといえば、そんなことはありません。しばらく射精せずにいると、なんとなく頭や身体の具合が悪くなってきます。女性の生理とは比べるべくもない些末な問題ですし、大して真面目に考えられることもないようですが、男性にも性ホルモンのバランスというものが存在するような気がします。
夫婦でセックスしたらどうですか
夫婦は忙しい
「夫婦なんだからセックスをしろ」というご意見もあるかと思います。まったくもってそのとおり、返す言葉がありません。
しかし夫婦だからといって定期的にセックスをすることができるかというと、そんなことはありません。
例えば、我が家は共働きです。お互い帰宅は早いほうだと思いますが、それでも家に着くのは20時前後です。そこから休み休み食事を作って、後片付けをして、お風呂に入って、明日のお弁当の用意をして……すると大体22時を過ぎます。
歳を経るにつれて、身体はより長い睡眠時間を要求してくるようになりました。私たち夫婦にとって、22時はもう寝る時間です。セックスをしなくても直ちに深刻な事態には至りませんが、寝ないと翌日の仕事に重大な支障を来たします。よってセックスをせず寝るべきです。
子どもには絶対に見られたくない
お子さんのいるご家庭ですと、子どもの存在は絶対に無視できません。夫婦の寝室と子ども部屋とが遠く隔てられた豪邸ならまだしも、私の家は首都圏にありがちな、大して広くもない、必要なものを無理やり詰め込んだようなファミリー(笑)向け賃貸住宅です。つまり、子どもはいつもすぐ側にいるのです。
ましてや、ウチの子どもはまさに思春期なのです。営みの途中に寝室のドアを開けられた日には、子どもにとっても、私たち親にとっても、心に深刻な傷跡を残すおそれがあります。
私が高校生の時、父と母が今まさにヤってることに気づかず、夫婦の寝室に立ち入ってしまったことがありました。あの時は「お邪魔してしまい申し訳ない」という気持ちと「なんてものを見せてくれるのだ」という怒りが混ざりあった、何とも言えない気持ちになりました。その後、父は寂しそうな顔をしていて、母は明らかに怒っていました。ああいう悲劇は避けるべきです。
子どもに見られた時のことを想像すると、キンタマが縮み上がります。子どもがいる家でのセックスは、あまりにも危険過ぎるのです。
セックスは射精の道具ではありません
あと、そもそもの話にはなりますが、セックスとは男性が射精するためだけの行為ではありません。セックスのプロセスに射精が含まれる場合はもちろん多くありますが、射精するためだけにするものでは決してありません。
セックスに高尚なものを求めるつもりはありませんが、いくら射精したいからといって「口でいいからヌいてくれ」みたいなのは、女性に失礼だと思います(いろいろあると思うので、一概には否定はしませんが)。
単に射精するだけならオナニーでいい。そう、オナニーでいいのです。
オナニーの条件
さて、単にオナニーと言っても、家庭内ではそれほどカジュアルに実行できるものではありません。問題なくオナニーを終えるためには、いくつかの条件をクリアーする必要があります。
一つ目は、時間です。オナニーに必要な時間には個人差があると思います。また、その時の心身のコンディションによっても変わるでしょう。
単に事を致す時間だけでなく、ズボンの上げ下ろしや、後始末に要する時間も考慮する必要があります。場合によっては、必要な「資料」を探すところから始めなければならないかもしれません。
二つ目は、場所です。家に誰もいないと仮定すれば、寝室でもリビングでも台所でも玄関でも、理屈の上では何処で致してもいいでしょう。ただ、今回は「家に家族がいる」状況でのオナニーです。必然的に場所は限られます。
「家族に見られても全然構わない」という男性も、中にはいらっしゃるかもしれませんが、ご家族は嫌なのではないかと思います。見られるのもダメ、見せるのもダメなのです。
すると、家の中でオナニーをするためには、「一定の時間、確実に遮蔽されているスペース」が必要であるということになります。一般のご家庭でいえば、トイレか風呂場、この二択になるかと思います。
トイレの場合、家庭内で使用される頻度はそれなりに多いです。また、小にしても大にしても、通常は5分前後で終わることが多いでしょう。あまり長くトイレにこもっていると、不審な印象(「シコってんだろ」)を与えますので、満足な時間を確保するのは難しいと言えます。
その点、風呂場であれば、使用される頻度はかなり限定されます。また、入浴に要する時間は人や日によってまちまちでしょうから、ある程度は自分の好きなように致す時間を取ることができます。
前置きが長くなりましたが、要するに私は風呂場でオナニーをしていたわけです。
元々が長風呂なので、風呂場で10分15分オナニーをしたところで、はたから見たら大して妙な風には見えなかったと思います。
排水口からザー〇ンの臭いがする
さて、私が風呂場の排水口の掃除をしていた時のことです。様子を見に来た妻が「排水口からザー〇ンの臭いがする」と言い出しました。
「排水口からザー〇ンの臭いがする」そう言われると、あまりにも心当たりがありすぎるわけです。
「そんな臭いはしない」「そもそも排水口は臭いものだ」「ザー〇ンの臭いとは何か定義しろ」などとごまかしていたら、妻が「子どもが風呂場でシコっているのかも」と言い出しました。
たしかにウチの子どもは思春期の男の子です。精通はとっくに過ぎているでしょうし、おそらくオナニーも日常的にしていると思います。
いくら親子とはいえ、子どもに対してフランクに「シコってんのか?」と聞くのは些か抵抗があります。でもシコってると思います。
しかし、彼には自分の部屋、不可侵な領域があるのです。いちいち風呂場でオナニーをするモチベーションがありません。
とまれ、妻の疑念の矛先が子どもに向いたので、私は「そうかもしれない、そういう年頃だからね」と言って、排水口にさりげなく洗剤を入れて、シャワーの水を勢いよく流し込みました。妻はなんか納得したような、感慨深げな表情をしていました。
それ以来、私は以前よりこまめに排水口の掃除をするようになりました。今回はすべての罪を子どもに引っかぶせることで事なきを得ましたが、次回はどうなるか分かりません。家の中でコソコソとオナニーをしていることが家族にバレるのは、やはり恥ずかしいですし、避けたいものです。
この記事を読んでいる既婚女性の方には、風呂場の排水口からザー〇ンの臭いがしても、温かい心でそっと見守ってほしいなと思います。